別府中央病院
院長 田村 洋一

新春のご挨拶を申し上げます。原稿を書いている時分は寒気が日本列島を覆い、庭には霜柱が立ち、踏むとザクザクした感覚がなんとも心地よいのですが寒さは一層厳しく感じられるようになりました。この寒中の候、皆様、如何お過ごしでしょうか。昨年は元日の能登半島地震に始まり、辛い幕開けになりました。一方、大谷翔平選手の活躍が日本国中を明るくしてくれました。今年は我が国では比較的平穏な新年の始まりになりましたがインフルエンザ、新型コロナの感染拡大は危険水域に入り油断で出来ない状況になっています。しかし、このような時世でも楽しみを見つけ一歩一歩踏みしめてささやかでも上昇気流に乗りたいものです。
正月にたまたま、名作といわれる『最高の人生の見つけ方』という映画に接しました。ストーリーは偶然にある病院の2人部屋で一緒になった余命六ヶ月を宣告された二人(その病院経営者と教養のある整備工)が意気投合し、bucket list と呼ばれる『死ぬまでにやりたいことのリスト』を作り、時には危ない橋を渡りながらもその一つ一つをやり遂げ、その中で、本当に大切なものに気付き、生涯を閉じる様を描いた映画でした。今年はそれにならって今年一年限りのPetit(プチ)bucket listを作ろうと思いました。これはノルマではなく本当にやりたい事、そうなって欲しい事を書くのです。例えば ①海外旅行に行く ②大阪万博に行く ③豪華なコースを食べに行く ④お腹が痛くなるほど笑う 等 無理かもしれないことから可能な事までやりたいことを箇条書きに書くのです。多く書けば何かは実現出来ると思います。当院職員にもこれ作成して頂き、病院はこれを応援したいと思います。そうして夢をもって少しでも明るく前向きな気持ちで仕事に臨みたいものです。現実はインフルエンザが過去にない猛威を振るい、2月までには新型コロナの第12波とインフルエンザB型が大流行すると予想されます。色々と心配すれば枚挙にいとまがありませんが出来ることを粛々と行い、楽しみを捜して・作って、日々を過ごしたいものです。
当院は『地域の方々に医療を通じて貢献する』を目標に掲げております。現在、専用外来と称して新型コロナ、インフルエンザ等の感冒症状の患者さんの診療を行っております。一方、感染者の入院加療も行っています。許容施設(感染者専用病室数)、マンパワーから入院診療には限りがございますが入院が必要な病状で隔離での管理が可能な方であれば極力受け入れております。当院の診療科は内科、外科、脳神経外科、整形外科、血液透析、形成外科(毎週火曜日午後)、眼科(毎週水曜日午前)からなっています。 上下部内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)、健診も積極的に行っています。私たちはこの一年、誠意のある医療が提供出来るように努めます。原稿の最後になりましたが皆様の夢が一つでも多く実現し、幸せな一年になりますよう心よりお祈り申し上げます。