2025年 年頭のご挨拶

別府中央病院
院長 田村 洋一

 新春のご挨拶を申し上げます。原稿を書いている時分は寒気が日本列島を覆い、庭には霜柱が立ち、踏むとザクザクした感覚がなんとも心地よいのですが寒さは一層厳しく感じられるようになりました。この寒中の候、皆様、如何お過ごしでしょうか。昨年は元日の能登半島地震に始まり、辛い幕開けになりました。一方、大谷翔平選手の活躍が日本国中を明るくしてくれました。今年は我が国では比較的平穏な新年の始まりになりましたがインフルエンザ、新型コロナの感染拡大は危険水域に入り油断で出来ない状況になっています。しかし、このような時世でも楽しみを見つけ一歩一歩踏みしめてささやかでも上昇気流に乗りたいものです。
 正月にたまたま、名作といわれる『最高の人生の見つけ方』という映画に接しました。ストーリーは偶然にある病院の2人部屋で一緒になった余命六ヶ月を宣告された二人(その病院経営者と教養のある整備工)が意気投合し、bucket list と呼ばれる『死ぬまでにやりたいことのリスト』を作り、時には危ない橋を渡りながらもその一つ一つをやり遂げ、その中で、本当に大切なものに気付き、生涯を閉じる様を描いた映画でした。今年はそれにならって今年一年限りのPetit(プチ)bucket listを作ろうと思いました。これはノルマではなく本当にやりたい事、そうなって欲しい事を書くのです。例えば ①海外旅行に行く ②大阪万博に行く ③豪華なコースを食べに行く ④お腹が痛くなるほど笑う 等 無理かもしれないことから可能な事までやりたいことを箇条書きに書くのです。多く書けば何かは実現出来ると思います。当院職員にもこれ作成して頂き、病院はこれを応援したいと思います。そうして夢をもって少しでも明るく前向きな気持ちで仕事に臨みたいものです。現実はインフルエンザが過去にない猛威を振るい、2月までには新型コロナの第12波とインフルエンザB型が大流行すると予想されます。色々と心配すれば枚挙にいとまがありませんが出来ることを粛々と行い、楽しみを捜して・作って、日々を過ごしたいものです。
 当院は『地域の方々に医療を通じて貢献する』を目標に掲げております。現在、専用外来と称して新型コロナ、インフルエンザ等の感冒症状の患者さんの診療を行っております。一方、感染者の入院加療も行っています。許容施設(感染者専用病室数)、マンパワーから入院診療には限りがございますが入院が必要な病状で隔離での管理が可能な方であれば極力受け入れております。当院の診療科は内科、外科、脳神経外科、整形外科、血液透析、形成外科(毎週火曜日午後)、眼科(毎週水曜日午前)からなっています。 上下部内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)、健診も積極的に行っています。私たちはこの一年、誠意のある医療が提供出来るように努めます。原稿の最後になりましたが皆様の夢が一つでも多く実現し、幸せな一年になりますよう心よりお祈り申し上げます。

新年冒頭のご挨拶

 新年のご挨拶を申し上げます。全世界共通の挨拶になると思いますが来年には新型コロナの克服を祝うご挨拶を申し上げることが出来るようになることを祈るばかりです。昨年の今頃は中国の新型コロナ禍を対岸の火事として見ていましたが今や我が国では大都市圏のみならず日本全域がその火事に巻き込まれ、行政、医療機関は必死で戦っています。大分県ではこの一年で延べ感染者数は1000人に達しそうです。
 当院での取り組みについてご紹介申し上げます。外来診療では、患者様や訪問された方全員に玄関ロビーに設置されたサーモモニターで最初に体温を確認後、血中酸素飽和度を測定(肺炎の有無、状態を推定)し、健康チェックシート(問診と、既述の基礎データを記入)により新型コロナ感染のリスクを点数化しています。感染の可能性が低い方は青色に分類し通常の外来スペースで、感冒様症状の方は黄色に分類し救急外来スペースで、明らかに感冒症状がある方は赤色に分類し、青・黄色に分類された方々と交わらないように専用外来と称した仮設の診療場所で午後に振り分け予約制で診察しております。入院診療においては当院の設備、マンパワーを十分に勘案し、医療従事者としての責務と 『存在意義のない病院であってはならない』 ことを肝に銘じ、日々コロナ対策に向き合っております。今後も既存の入院患者様の感染防止と新型コロナ患者様の診療の両立といった極めて困難な課題に取り組んでいく所存です。また入院患者様のご家族には厳しい面会制限を設け、多大なご迷惑をお掛けしております。大分県内の感染状況を分析し、少しでも面会の機会が設けられるように週単位で面会制限のルールを見直ししているところです。
 今日まで座右の銘にしております 『人生万事塞翁が馬』 をひたすら信じ、今年一年を歩んで参ります。最後になりますが密閉、密集、密接、濃厚接触の回避(お互いがマスクをしている、1m以上の距離、15分以内の会話)をもう一度ご確認下さい。皆様のご健康をお祈りするとともに保健行政機関、最前線の医療機関関係者の方々に改めて謝辞を申し上げ新年のご挨拶に代えさせて頂きます。

令和3年1月15日







院長
田村 洋一

お知らせ(外来診療について)

現在、当院には感染に対して抵抗力の弱い方々が多く入院されています。そのため新型コロナウイルスの集団感染予防の観点から当面外来診療は午前中に限らせて頂きます。午前中の診療においても待合室での集団感染の機会を最小限に留めるため37.5度以上の有熱者の方には改めて午後の限られた時間に再診を予約して頂いております。大変ご迷惑をお掛け致しますがご了承下さい。

別府中央病院 院長